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県内初「あきたこまち」で水稲湛水直播向けソリューション「リゾケア®XL」の試験栽培 | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: いいJAん!信州|May 21, 2024 5:18:00 AM

JA信州諏訪営農部は5月15日、県内初となる「あきたこまち」の水稲種子での水稲湛水直播向けソリューション「リゾケア®XL」の試験栽培を始めた。管内の田んぼ5カ所で行い、生産者、農業機械メーカー、JA全農長野、JA関係者ら約30人が参加。収量確保の上での水稲栽培の省力化に向けて期待がかかる。
直播栽培は、省力化、コスト低減、規模拡大による所得向上に貢献する栽培方法。しかし、水稲種子コーティングの労力、播種時のほ場の硬さ調整、播種深度のコントロール、播種後の水管理、雑草防除などに課題がある。
「リゾケア®XL」は2022年から全国で使用開始。水稲種子に、出芽・苗立ち安定化効果、苗腐病に対する効果、初期害虫に対する効果を含んだコーティング処理を行う。県内では2023年、「コシヒカリ」の試験したところ、順調に栽培が進み、収量も確保できた。このことから2024年、管内で多くの生産者が栽培する「あきたこまち」の試験を初めて行うことになった。関係機関の協力のもと、「リゾケア®XL」の導入を検討したい考えだ。
この日はまず、茅野市の農業法人湯川が管理する27アールの田んぼで実施した。8条植えの播種機で、「リゾケア®XL」のコーティング処理済み水稲種子を10アールあたり3.75キロ播種。参加者は播種後の田んぼに近づき、種子のようすを確認していた。
1週間~10日後で発芽する見込み。現行の直播栽培では発芽率を上げるために出芽するまで落水をさせるが、「リゾケア®XL」では湛水でも発芽するので除草剤の効果も今まで以上に期待ができる。
同法人代表の三浦元重さん(74)は「以前より直播栽培をしていて、収量はまずまず。うまくいくかは水稲種子で決まるので、『リゾケア®XL』の効果を期待したい」と話した。
営農部営農企画課の柳澤輝佳課長は「今年は今後の生育状況の観察、収量調査をし、直播栽培を行う生産者に提案できる商品か判断していく。良い結果が出て、収量確保の上での省力化につながれば嬉しい」と話した。