JAみなみ信州きのこ部会は今年度、ぶなしめじの同JAオリジナル商品「まるごと一株」のパッケージを変更した。市場や売り場での認知度も高いため、新パッケージはイメージをそのままにコスト削減、作業の効率化を実現した。3月から順次新パッケージに更新し、主な売り場では新パッケージの商品が販売されている。
伊藤敏光部会長は「生産コスト高騰で苦しい状況だからこそ、これは『産地の挑戦』。この危機を乗り越え産地を発展させていくために、生産者一丸となって将来に向けた投資と考えている。これからも先輩方が築いてきた産地を守りながら、さらに盛り上げていきたい」と意気込んだ。
同商品はぶなしめじを収穫したままの姿で包装したインパクトのある商品。生産者が包装まで行う同部会では包装機械の老朽化も課題になっていたことから、機械の更新に伴い包装形態も変更した。これまで2種類のフィルムをそれぞれ丸型にくり抜き、きのこを挟むように包装していたため廃棄部分が多くあった。新しい機械は1種類のフィルムのみを使用することで資材の無駄を最小限に抑えることができ、コストの削減につながっている。包装機の処理スピード自体は変わらないものの、故障が少なく作業効率が上がったと感じている生産者が多いという。またセルフレジの普及がすすむ販売先の意見も取り入れ、バーコードを見つけすいよう表面に配置するなど細部までこだわった。
同JA営農部販売課の矢澤遼担当は「生産者の皆さんの思いがつまったパッケージのイメージは大きく変えず、今の時代に合ったパッケージが出来上がった。新しいパッケージと生産努力をしっかりPRして、1ケースでも多く1円でも高く販売していきたい」と意気込んだ。
南信州は『ぶなしめじ人工栽培発祥の地』と歴史ある産地。同部会はぶなしめじ、えのきたけをメインに26人の生産者で生産が行われている。比較的若い生産者が多く勢いがあり、部会の結束力を武器に生産性向上のため品種を変更するなど、積極的な産地振興に取り組んでいる。