上伊那農業農村支援センターやJA上伊那、同JA野菜部会アスパラガス専門部などで構成する上伊那農業生産振興協議会は2月2日、伊那市のJA南信会館で上伊那アスパラガス生産振興大会を開いた。上伊那の生産者約120人が出席。2023年の生産販売経過を確認するとともに、同JAアスパラガス生産拡大プロジェクトについてなど10億円産地に向けた情報共有を図った。
アスパラガスは同JAの野菜の中で白ネギに次いで販売高の大きい品目。生産戸数も200戸を超える。23年は3月上旬より高温で推移したため、3月下旬からスムーズな出荷となったが、一方で高温により穂先が焼けるなどの被害が発生。その後は4月下旬から5月上旬の低温傾向による出荷量の減少や6月2日の集中豪雨による水田転作畑を中心としたかん水被害、梅雨明け後の高温・干ばつによる害虫の発生や萌芽量の減少などが起こり、栽培管理に苦労する年となった。販売では全国的な品薄状態により高単価で推移。新たに大手コンビニチェーンへの原料供給を実施したことにより、B品等の高値取り引きを実現。出荷量・販売高ともに前年を上回った。
生産拡大プロジェクトについては、上伊那の販売額はピーク時に比べ減少傾向であるが、県下トップの産地として市場から大きな期待が寄せられていること。近年では多くの新規生産者の参入があることから、10年後に販売高10億円を目指す施策について改めて説明。生産者によって反収にバラつきがあるため、反収の向上を目的とした生育診断やほ場カルテシステムの活用、作業の省力化やより正確な計量を目的とした共選化等に取り組む。
専門部の永由喜芳専門部長は「生産性向上や品質アップに向けてしっかりと検討していこう」とあいさつした。