県内JAの話題

産官学連携でロボット開発 市田柿生産の省力化へ | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: いいJAん!信州|Dec 20, 2023 2:22:00 AM

JAみなみ信州は市田柿生産の作業負担軽減に向け、2017年から東京大学、地元企業と産官学連携して市田柿の皮むき機への柿置き作業を自動化するロボット開発を進めてきた。6日、高森町の同JA市田柿工房で完成記者発表を行い、同JA、東京大学、多摩川精機(株)、多摩川テクノクリエイション(株)、(株)協和精工、長野県南信試験場の開発担当者が参加しロボットによる作業を実演した。
同JA営農部果実柿課の羽生弘之課長は「生産現場では皮むき機は自動化しているものの、他の加工作業はほとんどが手作業で行われている。その中でも柿置き作業はかなり神経をつかう大変な作業。ロボットを実用化しまずは市田柿工房への導入を目指し、作業者の負担軽減となり、産地の維持・発展につながることを期待したい」と話した。
完成したロボットは既存の皮むき機に後付けできる設計で、3DカメラとAI画像処理によってコンベアを流れてきた柿のヘタの位置を検出。さらに2台のカメラで柿を横から撮影して前後左右の位置を調整し、アームが柿をつかみ皮むき機にセットする。
東京大学大学院農学生命科学研究科の海津裕准教授は「市田柿は小ぶりで一つ一つ形や大きさなどが異なるため苦労した。今後はさらに運用する中で処理スピードをあげ、正確性を増すとともに数年後の実用化を目指し精度を高めていく」と話した。