JAあづみ果樹園芸専門委員会は7月中旬、果実現地作柄確認および情報交換会を開催した。委員会役員や同JAりんご部会青年部員、取引市場担当者、JA職員ら約40人が参加した。
安曇野産果実の出荷本番を前に正確な産地情報を共有し、今後の販売に弾みをつけようと企画。現地確認では、リンゴや梨、桃など計6箇所の園地の状況を確認。それぞれの品目担当者が凍霜害の影響などを説明し、産地の現状を共有した。
情報交換会では、果実全般の生育状況や競合産地の生産動向、販売方針などを確認。果実販売に対して協議し、産地への要望に耳を傾けた。
大倉典明果樹園芸専門委員長は「各園地で現状を確認していただいた。それらを踏まえて忌憚の無い意見を出し合い、ともに力を合わせて1個でも多くの果実を消費者に届けたい」と挨拶した。
23年産は4月に断続的に発生した凍霜害により多くの園地で着果不足が目立ち数量減が見込まれる。このような状況下でも(1)約束した数量の出荷を厳守する(2)産地の想いを載せたパンフレット「アップルマガジン」を活用した販売(3)高糖度や日持ちなど品種特性を活かした販売を行うなど凍霜害への対策を含めた5つの販売方針を説明した。
対して各市場担当者からは、企画販売に関する販促・消費宣伝販売計画が示された。特に、コロナ禍で実施を見合わせていた試食宣伝販売を人の集まるイベントに合わせて企画し、「食味」を遡及するなど産地の状況にあった販売方法を展開するとの回答が多かった。
市場担当者は「長野のリンゴと言えばやっぱり“安曇野”。長年の信頼は揺るぎない。凍霜害の影響は苦慮するが、上位品も下位品も精一杯売らせていただくのが役目。農家や市場、JAが一枚岩となってこの難局に立ち向かっていきたい」と意気込んだ。