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茅野市出身の矢崎和樹さん 海外生活を経て知った諏訪の野菜に魅了され就農 | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: いいJAん!信州|May 25, 2023 12:43:00 AM

JA信州諏訪管内で2023年度、茅野市出身の矢崎和樹さん(27)がブロッコリー農家として新規就農した。「海外を巡り、日本の食材のおいしさに気づいた」ことが起点となり、一から栽培技術を習得。里親農家から教わった“感謝”の気持ちを胸に、一人前を目指す。
矢崎さんは高校卒業後、ワーキングホリデーを利用してオーストラリアへ渡航。農場や飲食店で1年間働き、一時帰国。北海道のホテルで2年間勤務した後、カナダへ行き、不動産業勤務や大学生活を経験。新型コロナウイルス感染拡大を機に日本へ戻った。
帰国後、日本の食材のおいしさを実感し、「自然豊かで魅力ある地元で、自分も農産物を栽培してみたい」と思っていたところ、当時知り合った友人が里親研修制度でパセリ農家となったことを知り、茅野市農林課に相談。JAの新規就農窓口や農業農村支援センターを紹介され、サポートを受けながら準備を進めた。
里親は、原村のブロッコリー農家の菊池磯八さん(67)。菊池さんからは「失敗は糧になる。笑顔で次に繋げればいい」「農地を貸してくれた人、手伝ってくれる人、地域の人のおかげで農業ができる。感謝の気持ちを忘れないように」など多くのことを学んだといい、「農業、そして人生の大先輩。今後も菊池さんの教えを大切にしたい(矢崎さん)」と語る。
2023年4月に独立。原村と茅野市で借り受けたほ場13枚(計2ヘクタール)で栽培を始めた。定植はこれまで2回実施したが、初日は機械の不具合があり、先輩農家の支援を受けた。2回目は友人と2人でスムーズに作業が進み、霜対策のトンネル設置、投薬も済ませた。
初出荷は6月中旬を予定しており、年間4000ケース(1ケース4キロ)をJAに出荷することが目標。「仕事に向き合い、反省を次年度に生かせる1年にしたい。5年以内に自分の農業を確立したい」と今後を見据える。
これまで各地で知り合った全国・海外の友人を呼んで、一緒に農業をしたり、地元野菜を食べたりしてもらうこともあり、諏訪の野菜は「皆が『とてもおいしい、また収穫できたら送ってほしい』と言ってくれる」という。「もっと多くの人においしさを知ってもらうこと。それが地域貢献につながると信じている」と力強く語った。