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広島産レモン初選果 夏場の出荷担う「中継基地」 | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: いいJAん!信州|May 24, 2023 6:24:00 AM

JAあづみは、広島県のJA広島ゆたかと業務提携し、安曇野市三郷小倉の大型冷蔵庫で4月中旬から貯蔵していた広島県産レモンを15日、JA小倉選果所で初選果した。
安曇野産果実がない7月中・下旬頃までの時期にJAあづみの施設を有効活用し、国産レモンが品薄となる夏場に首都圏や中京方面などの大消費地に国産レモンを供給する「中継基地」としての役割を担い、JA広島ゆたかの販売増加に貢献している。
同JAが広島産のレモンを受け入れるのは11年目。毎年100トン前後を選果していたものの、寒波の影響で2月以降の収穫量が落ち込み、2023年は45トンほどを貯蔵・出荷する見通しだ。
初日は、約20人の選果員が2トンほどを選果。選果前には目ぞろい会を開き、JA広島ゆたか営農販売部森岡幸雄課長が傷んだレモンの見分け方や規格外品の見分け方などを説明。レモンを一つずつ手作業で傷の有無を確かめ、3L~SSの6階級に選別した。選果作業は5月末まで続く予定。
前年同様、約30トンを鮮度維持特殊フィルム「P-プラス」に個包装する。JA広島ゆたかによると、袋詰めされたレモンは1個200円ほどの高値で取引されることもあり、生産者の所得向上に一役買っているという。1年を通して広島レモンが出荷できるように2006年に開発された。個包装することで、レモンの呼吸作用をコントロールして鮮度を保つことができる。低温で貯蔵し、国産レモンの端境期となる夏場の出荷が可能となった。夏場の国産レモンが不足する時期に出荷できるため、市場からの評価は高く高単価での販売を実現した。
出荷までの間、再び貯蔵し、6台の大型加湿器で気温5~8℃、湿度90%を目安に品質管理する。出荷作業は6月中旬まで続く予定。
森岡課長は「安全・安心な国産レモンを夏場の端境期にも多くの消費者に届けたいとの思いで始まった取り組み。施設貸与などのおかげで農家の所得増大に繋がっている。作柄にもよるが200トンはお預けしたいと思っている」と語った。
JA果実中央選果所の福岡直樹センター長は「レモンの貯蔵と選果により施設の稼働率が上がり、地元の雇用創出にもつながっているので大変ありがたい」と話した。