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排水対策を実演 モデル圃場として周知 | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: いいJAん!信州|Apr 24, 2023 5:06:00 AM

JAあづみとJA全農長野は17日、安曇野市堀金の圃場(ほじょう)で初めて全層心土破砕機「カットブレーカーmini」の施工実演会を開いた。生産者やJA職員ら約20人が参加。カットブレーカーの施工作業工程や施工後の耕盤破砕状況、土壌硬度を確認した。
実演会は約20年前からアスパラガスを生産する尾日向邦彦さんがJAに相談したことがきっかけ。3年ほど前から、ゲリラ豪雨や長期連続降雨などによる茎枯病や圃場の排水性に悩まされていたという。そんな状況を打破するため農地の排水性を改善し、根域の拡大と湿害を回避することで生産の安定化が期待できるカットブレーカーに着目した。
実演にはJA全農長野が所有するカットブレーカーmini(1連式)を使い、硬盤破砕を施工。刃幅は52センチ、深さ50センチまで破砕する。V字状の切断刃を土に挿入し、土塊を持ち上げてそのまま落下させてV字の破砕溝を作ることで地耐力や保水力、排水性を確保することができる。参加者は、施工後の圃場断面や土壌の作業性などを確かめていた。10アールあたりの施工時間は土質にもよるが30~60分ほど。
尾日向さんは「一度、畑をリセットしたくて実演も兼ねてJAにお願いした。今後、雨除け設備を整備し、2度目のアスパラガス作りに挑戦したい」と意気込んだ。
アスパラガスの品目担当である三郷地域営農センターの波田野あゆみ営農指導員は「モデル圃場として生産者に周知し、新規栽培希望者増加と農家所得増大のきっかけ作りになれば」と話した。