地域営農リーダーの育成を目的とする安曇野新興塾は30日、太田寛安曇野市長と市民らのグループが意見を交わす「ゆたかの飛耳長目」に参加した。「ゆたかの飛耳長目」は市長が直接市民などの声を聴き、意見を交わす、対話の場として10回目を迎えた。
この日、市役所で開かれた懇談会には塾生や太田市長、JA職員ら約20人が参加。塾生の取り組みや課題点などについてざっくばらんに意見を交換した。
塾生は「土地利用型農業をしょって立ち、安曇野の田園風景を将来に向けて維持する」、「若い世代の後継者を育成する」「農地の集積を行い、荒廃農地の解消に取り組みたい」など10年後の目指す姿や将来の抱負を述べた。また、若者世代やIターン・Uターンで帰省してくる人たちが農業や就農に興味を持つため「稼げる農業」の仕組みづくりに協力する姿勢を示した。
太田市長は「手のつかない大自然と人の営みが作ってきた農業や農業用水路の組み合わせが安曇野の自然の根幹。農業を続けることで安曇野の景観が守られる」と農業の重要性に理解を示し、「来年度の予算、それ以外の施策についてみなさんからのご意見を参考に組み立てていきたい」と述べた。
佐藤進塾長「日本の農業全体は高齢化や後継者不足に悩まされているが、将来的には農家を優遇せざるを得ない時代が来る。その日が来るまでみんなで考え、活動したい」と話した。
塾頭の荒芝裕一さん「充実した懇談だった。市が示された内容を各塾生が持ち帰り今後の農業生産に活かしていきたい」と意気込んだ。