JAグリーン長野花き部会球根専門部は、ユーコミス(別名パイナップルリリー)の生産振興に取り組んでいる。この品目は、パイナップルのような花穂が特徴で、7月中下旬から8月状中旬、盆やイベント需要に合わせて出荷する。全国的な流通量が少ないなか、パイナップルのような珍しい外観と、緑色の涼しげな草姿を魅力に、夏場に涼を運ぶ品目としても販売拡大をめざしている。
本格出荷に合わせて7月16日、長野市篠ノ井の東部青果物流通センターで目揃会を開き、生産者13人が出席。同日初出荷を迎えたなか、出荷物を見本に、生育状況、出荷規格、荷造りや市場から指摘となりやすい項目について営農技術員が説明した。営農技術員が各圃場を巡回したところ、生育状況は、短い梅雨で水が少なく、実需者・消費者の扱いやすいコンパクトな草丈となっていること、また、導入後、生産年が長くなるにつれ、花穂の長さがそろってきていることを確認。生産者によって、生育に差が出ているが、逆にこれを追い風に、一気集中ではなく、需要に即した分散出荷で、安定価格につなげることを申し合わせた。
生産者の女性は「淡い緑で涼しげな花なので、夏に喜んでもらえると思う」と話し、出荷に意欲。栽培方法が、確立し切れていないなか、導入初期から取り組む生産者に対し、日の浅い生産者が栽培管理や収穫方法について、情報共有も行った。
導入初期には8月の盆需要に合わせた出荷が通例だったが、近年は温暖な気候によって、生育が前倒しになってきている。JAでは、計画的な出荷により安定単価販売につなげるとともに、生産者の拡大と、花が咲き身が固まった「シード」の状態での出荷にも取り組みたい考えだ。