JAあづみは7日、安曇野市立穂高東中学校の2年生を対象に「出前授業」を開催した。同校の2年生9人が参加、地域の農村が発展を遂げてきた歴史をはじめ、農業者が生業として実直に農作物(食)に向き合う想いや姿を伝えた。
同JAでは、「次代へつなぐ」をメインテーマに、地域の農家や先生と連携し子供たちに「食」や「いのち」の大切さを伝えるため「あぐりスクールサポート事業」を展開している。今回の出前授業はその一環で、2020年に始まり3回目となる。
営農経済事業部の丸山昌則次長が講師を務め(1)地域農業の歴史(2)農業インフラ(3)地域の農業生産(4)農業政策の4つのテーマに沿って授業を進めた。
生徒らは、安曇野一の大水路として約1000ヘクタールの水田を潤し、この地を全国有数の米どころに発展させた「拾ヶ堰」が26年の歳月をかけた調査と全長15キロに及ぶ水路をわずか3か月という驚異的な速さで完成させたことに驚きの表情を浮かべ、現在の安曇野の農業の原型を築く礎になったことを学んだ。
蜜澤靖哲教諭(55)は「農業が抱える問題や課題、今後の明るい展望などを自分たちで考え、育った地域で何ができるか見つけるきっかけにしてくれたら」と語った。
丸山次長は「農業が頭の片隅に残り、地産地消への理解等につながればと思う。将来、職業として農業(就農)が選択肢の一つになれば」と期待を寄せた。