JA佐久浅間さく南部営農センターは19日、佐久市の県水産試験場佐久支場で水田用の親ブナを配布した。JA佐久平鮒部会の部会員や近隣市町の生産者68人に親ブナ925キロを配った。
親ブナは満2歳で、体長約12センチ、重さ約60グラム。生産者が休耕田や稲作田で飼育し、5月下旬から6月上旬に産卵する。生まれた稚魚を水田などで約3か月間飼育。体長約5センチ程度に育ったところで9月上旬から「佐久活小鮒」として出荷する。同センターなどで販売。地域伝統郷土食として食卓に上がる。
同地域で生産するフナは「改良ブナ」と呼ばれ、1972年ごろから緋(ひ)ブナから生まれた黒ブナを選抜して固定した系統。体に丸みがあり骨が柔らかく食味が良いのが特長だ。
近年、野生ブナ(ギンブナ)と交配の影響で、体形が細く硬い小ブナが増加していたことから、2015年から新たな改良ブナが配られている。
親ブナを50キロ購入した佐久平鮒部会部会長の臼田和好さんは「父の後を継いで12年、フナが大好きだから飼い続けている。最近はコロナでどこにもいかれないからこの時期の趣味。フナも話しかけるとよってくるのでとても楽しい」と話している。