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ロボット技術×農業 「ドローン実演会」初開催 | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: いいJAん!信州|Dec 7, 2021 12:56:00 AM

近年、農業人口の減少や農業者の高齢化等を背景に、ロボットや情報通信技術(ICT)、ドローン等の先端技術を活用したスマート農業の普及が進んでいる。
JAあづみ営農経済事業部担い手支援室は30日、安曇野市三郷小倉でドローン取り扱いメーカー3社(3機種)と合同で「農薬散布用ドローンの実演会」を初めて開いた。大規模農家や農業団体などから約50人が参加。各メーカー担当者から操縦方法などの説明を受け、農薬に見立てた水をドローンが散布する様子をスマートフォンで撮影するなどして見学した。
この実演会は、スマート農業の普及推進を進め、農作業の省力化や労力軽減に繋げようと初めて企画。市内の電子機器メーカーのグループ会社やJA全農長野などの協力により実現した。
実演会で生産者の注目を集めていた機体は、同社が国内で製造し10リットルの農薬が入るタンクを搭載、1.25ヘクタールをおよそ15分で散布できる。価格は150万円ほどで、自動航行する他のドローンと比べると低価格で扱いやすく、参加者は実際に操縦してどれだけ楽で簡単に操縦できるか使い心地を確かめた。
通常、1ヘクタールの防除作業は4人の作業員が動力噴霧器やホースなどで行った場合、約1時間の作業となり、ドローン導入は作業時間を4分の1までに短縮させ、労力削減に繋がる。
米や小麦などを栽培している生産者は「操作が簡単。概ね思い通りに飛行してくれた。スピードもあり、手を離せばホバリング状態になることから安全性や性能は高いと思う。毎年、数十万かけて委託散布をお願いしているが、導入を前向きに検討するいい機会になった」と話した。
営農経済事業部担い手支援室の丸山昌則課長は「予想を上回る参加者にドローンへの関心の高さを実感した。現在直面している土地利用型農業への新技術の体系化を図るためにも農地の面的集積を図り、スマート農業の環境整備が必須となる。多くの参加者に直接ドローンに触れて貰え、身近に感じていただけたのではない」と強調した。
JAでは引き続き、スマート農業の普及推進に力を入れ、生産部会や青壮年部等の組織へ向けても実演会の機会を設け、省力・能率化による生産者の負担軽減と農地の維持・多角化につなげていきたい考えだ。