JAグリーン長野は、長野市篠ノ井の(株)西飯田酒造店、長野市と連携し、JAのモモ「川中島白桃」を使って醸造した「minori no awa -みのりのあわ-モモスパークリングワイン」を12月1日、発売した。管内で生まれた品種「川中島白桃」を活用することによるブランドの強化とブランド商品の開発、また、規格外の果実の有効活用による生産者の意欲と手取りの向上をめざしたもの。JAと西飯田酒造店が「長野市の観光と物産展実行委員会」の賛助会員である縁もきっかけに、3者で事業連携し、生まれたものだ。
原材料は、2021年度産の川中島白桃100%。果実表面に傷がつくなどして通常出荷できず、ジュース加工用として生産者から出荷されたもので、加工業者で絞られた果汁360kgを西飯田酒造店に卸した。JAおよび酒造で「モモ」のスパークリングワインの製造は初。飯田一基同店代表取締役兼杜氏によると、通常のスパークリングワインと違って混濁しているが、モモを余すところなく味わってほしいという想いから、清澄剤を使わず、絞った状態のまま発酵させ醸造したという。
発売を前に、同日、同市篠ノ井のA・コープファーマーズ南長野店で、完成発表会を開催。長野市の観光と物産展実行委員会川上忍事務局長(同市商工観光部商工労働課長)とJAグリーン長野生産販売部滝澤明人部長、飯田代表取締役が出席し、来店客やメディアにPRした。滝澤部長は「今回使用した川中島白桃は、管内川中島の地で品種改良され発見された全国を代表するモモ。これを原料においしいスパークリングができた。管内に大勢いらっしゃる生産者がこういった商品を見ていただきながら、モモの生産意欲の向上・活力アップにつなげてもらえればうれしい」とアピールした。店内で商品を手に取った女性客は「川中島白桃のスパークリングワインなんて面白い。ぜひ味わいたい」と話していた。
商品は、600本限定、JA管内3店舗のA・コープ店(ファーマーズ篠ノ井・ファーマーズ南長野・松代)で販売するほか、西飯田酒造店特約店で販売する。税込1,650円、アルコールは6%、内容量は500ミリリットル。県外で行われる物産展等での販売も検討されている。JAでは、JA推進果実の規格外品を活用し、「minori no awa-みのりのあわ-」シリーズ化にも着手。地元の蔵元や行政との連携をますます深め、県内・全国へとブランド果実のPRと販売拡大につなげる考えだ。