飯田市竜丘地区の農家で構成する「あぐりの田んぼ学校」は11日、飯田市桐林の竜丘小学校5年生64人に指導し稲刈りとはざ掛けを行った。「あぐりの田んぼ学校」は2005年から同地区の保育園と小学校で食育活動を行っている。この日はあぐりのメンバー5人とJAみなみ信州竜丘支所の職員2人も協力して作業を行った。
竜丘小学校ではもみまきから米作りを行っており、田植えのあとの水の管理や草刈りなど日々の管理を児童が中心となって行ってきた。「あぐりの田んぼ学校」が目指す「自分たちで進める米作り」が行われており、この日も児童らはお互いに声を掛け合いながら作業した。児童は3時間をかけおよそ4.5アールの田んぼいっぱいに稔ったもち米とうるち米を鎌を使い1束ごと丁寧に刈り取った。
はざ掛けの指導では、あぐりのメンバーから強い風が吹いても倒れない強い骨組を作るためには「正三角形」が大事なことや、頑丈でありながらもほどく時には取りやすい紐の縛り方など、米作りにおける知恵についても説明を受け、子供たちは興味深く聞き作業を進めた。
5年生担任の和田英幸教諭(58)は「子供たちは日頃の田んぼの管理や草刈りをよく頑張った。地域の皆さんに協力いただきながら貴重な体験ができてありがたい」と話した。
「あぐりの田んぼ学校」代表の熊谷伊久夫さんは「子供たちが主体になって進めるように大人は最低限のサポートだけ。保育園での米作りの経験もあって自信をもって作業できている。今日も積極的に動く姿が見られてうれしい」と話し作業を見守った。
同校では10月中に昔ながらの足踏み脱穀機を使って脱穀し、12月には収穫したもち米で餅つきをする他、同JA女性部との五平餅づくりも予定している。