薬用作物で知られる特産「信州人蔘」の出荷が、JA佐久浅間信州人蔘センター(上田市上丸子)で9月6日から始まった。「本根」と呼ばれる5・6年根と、10月から出荷を予定する2年根と合わせ、約4トンを見込んでいる。集荷した信州人蔘は等級ごとに選別後、洗浄、蒸し、乾燥の工程を経て国内の生薬メーカーなどに出荷する。
信州人蔘は、高麗ニンジンや朝鮮ニンジン、オタネニンジンなどとも呼ばれる薬用作物。太陽光の直射を避けるため、わら葺きの小屋をつくり、土の乾燥と昇温を抑えて遮光した環境で最長6年の栽培期間を経て収穫する。
現在、佐久市や東御市、立科町、上田市の16人の生産者で部会を構成。佐久市茂田井の小林寿光さんは、地元にいた信州人蔘の加工業者の勧めで栽培を始め、今年で16年目を迎えた。9月8日を皮切りに週2回のペースで今月中に6年根を約700キロ出荷する。小林さんは「今年の6年根は4年前に植え替えた苗が良かったので手ごたえがある。良品を出荷して産地の信頼をさらに高めたい」と話している。