JA上伊那管内で8月20日、伊那市手良にある株式会社中坪ノーサンで、管内初の稲刈りが行われた。同社は地域の耕作できなくなった農耕地などを集め約34ヘクタールの水田を管理している。そのうち約28ヘクタールで「コシヒカリ」、6ヘクタールで早生品種の「五百川」を栽培している。
この日は38アールの水田で、昨年から取り組んでいる登録前の試験栽培品種の刈り取りを行った。「五百川」と同様コシヒカリの突然変異からの改良品種だが、「コシヒカリ」に比べ粘り気があり、食味が良いのが特徴だ。また、「五百川」よりもさらに早く刈り取りができるため、収穫時期を分散することができ、適期での刈り取りが期待できる。
今年は春先の遅霜に加え、7月の日照不足、鳥害などが心配されたが品質は良好だ。
同社の登内美穂社長は「今はまだ試行錯誤中。新しいことに挑戦していくことで、選択肢を増やしていきたい」と話した。
上伊那管内では9月中下旬が刈り取りのピークとなる予定。今年度は28,850トンの収穫量を見込んでいる。