JAあづみは安曇野市三郷温のJA果実中央選果所で17日、安曇野産リンゴのわせ種の主力品種「サンつがる」を初出荷した。JA営農経済事業部果実課による2021年度は4月の凍霜害の影響で3割ほどの減収が見込まれるものの、味のばらつきが少なく、玉の大きさも平年並み。甘味と酸味のバランスがよく食味は抜群だ。
初日は800ケース(1ケース=10キロ)を首都圏や関西、九州方面の市場に出荷し、9月10日頃までに10万7,710ケースの出荷を見込んでいる。
選果に先立ち開いた目ぞろい会では、営農経済事業部果実課の小林鷹文営農指導員が約50人の選果員に「例年以上に日焼けやサビなどの障害果が多く、選果が難しい年。丁寧に選果し1ケースでも多く出荷できるようにして欲しい」と強く呼びかけた。
選果所では、選果員がキズの有無や色を確認。ベルトコンベヤーに載せると、センサーやカメラが果実の糖度や大きさ、色づきを自動で判定。4等級に分けて箱詰めした。
営農経済事業部果実課の中村洋一課長は「市場関係者からはサンつがるの質と量に期待されている。中心玉の価格維持に努めた販売を進める」と強調した。
また、初出荷に先立ち「出発式」も開催。市場関係者やJAあづみりんご部会役員、JA役職員約10人が参加した。同JAの千國茂組合長と同部会の二村賢二部会長が市場関係者にサンつがるを1箱ずつ手渡した。
二村賢二部会長(64)は「今年は食味が抜群。リンゴ農家としてのプライドを持って出荷する。品質を見極め、1円でも高く販売していただきたい」と話した。
安曇野産のリンゴは、中生種ではシナノスイート、晩生種ではサンふじがそれぞれ主力。シナノスイートは10月上旬、サンふじは11月上旬に出荷が始まる見通しだ。