JA信州諏訪花き専門委員会きく部会は7月下旬、富士見町花き共選所できく出荷査定会を開いた。部会員とJA職員合わせて43人が出席し、現在の販売状況や出荷規格を確認。最需要期に向け、意思統一を図った。
管内は県内トップの生産量を誇る歴史ある産地。70戸の生産者が、輪ぎく、スプレー菊、小菊など70~80品種を栽培している。今年度は、定植後に温暖傾向が続き、生育が前進。昨年より1週間早い、5月26日に初出荷を迎えた。現在は1日に1200~1500ケース(1ケース100本)が出荷されており、8月の盆、9月の彼岸の最盛期には約2000ケースが全国に届けられる。販売金額は3億6500万円を見込んでいる。
JA営農部の佐藤勲知主任によると現在の生育状況は良好。梅雨の影響でさび病、斑点細菌病が発生する時期だが、専用の薬剤による防除を徹底しているため、目立った発生は見受けられないとのこと。佐藤主任は「高温が続くとダニやアザミウマが増えてくるので、引き続き防除をしてもらい、高い品質を維持してほしい」と呼びかけている。
査定会では販売担当職員から、今後の見通しを説明。7月下旬から大型の冷蔵庫をもった花屋が盆仕入れを始め、8月上旬にピークを迎える予定だ。
また産地の信用につなげるため、荷造り時の留意事項の徹底を促した。(1)1束は10本結束とし、切り前、花部を揃え、株を切り揃える(2)首長、丈の短いもの、細いもの、病気のものなどの下位等級品は、上段に箱詰めする。(3)降雨時に採花した際は、斑点細菌病を防ぐため、扇風機をかけるか吸水シートに吸わせるなどして、必ず水を切ったうえで箱詰めすることなどを確認した。
相馬信行部会長(45)は「出荷規格や切前を改めて確認することができた。市場・消費者の皆さんに『信州諏訪はよいきくを出荷してくれる』と思ってもらえるよう、生産に励みたい」と話していた。