JAグリーン長野信更果実流通センター(長野市信更町)は8月10日、リンゴ「シナノリップ」を初選果した。昨年より4日遅い開始。凍霜害の影響を受け、収量と品質への影響を懸念するが、主力果実品目「リンゴ」出荷の皮切りとして、グリーン長野産リンゴの売り場確保へ、幸先のいいスタートを切りたい考えだ。
JAりんご部会では、着色が良く、サンつがるよりも早く出荷でき、価格も期待できる早生種として、「シナノリップ」を一振興品目に位置付ける。同センターで、管内全てのシナノリップを選果し、選果・品質の統一にもつなげている。
選果初日は、センター従業員が、営農技術員や生産販売部販売担当者を交えて、果実表面の傷などを中心に目合わせを行い、選果作業を開始。近年の気候から果面に「日焼け」が果面に残りやすいこと、また、凍霜害による品質への影響で変形果もあること、また、「シンクイム」被害も起こりやすい品種であることから、疑問点は営農技術員に逐一確認しながら選果機に果実に流し、作業を進めた。
8月6日から10日にかけてはセンターごと4会場で講習会を開催。収穫のタイミングを始め、日焼け痕や枝ずれ、一部地域で発生した雹害の程度などの生産者段階の一次選果基準を目合わせした。昨年に比べて生育は若干遅れたが、高温で熟度が進んでいることから、地色を確認し、こまめな収穫に取り組むよう指導。また、色むらは葉摘みや玉回しにより改善できるが、30度を超えると日焼けになるため、熟度を優先した収穫を呼び掛けた。
JAでは、8月11日に関東・中京・関西・地元市場へと400ケース(1ケース=10kg)を出荷。出荷作業は25日頃までを見込む。全体で5,000ケース(前年対比160%)を見込んでいる。