JAみなみ信州は8日、飯田市鼎の同JA本所で、主力果実の桃、梨、りんご、ぶどうの各部会員、県職員、全農長野職員、輸送協力会、同JA役職員ら66人が出席し、今年の販売果実販売対策会議を行った。新型コロナウイルスへの対策で、取引市場業者5社がWEBで参加した。
今月上旬からの早生桃を先頭にみなみ信州産果実の出荷が始まった同JAでは、生産、販売、流通、市場の関係者が一同に会し、今年度の果実全体の販売方針を確認した。
同会議では、同JAから2021年度の生育状況や販売方針を示し、関東、中京、関西、九州の各市場から競合産地の状況、販売見通しを示し全体で共有した。
同会議で同JAの寺沢寿男組合長は「全国的には新型コロナや自然災害、天候の影響で例年以上に苦労が多い年になっているが、私どものJAにとっては比較的良い環境ではないかと期待している。皆さんと情報共有をしっかり行い、生産状況を的確に把握することが重要。JAみなみ信州の果実を産地が期待する価格で安定的に供給できるよう協力して頑張りましょう」と意気込みを語った。
同JA営農部販売課共選果実の桃・梨・りんご担当の松重恵佑担当は「販売先に約束した数量を確実に販売していくことで信頼を築き、JAみなみ信州の売り場をしっかり確保して産地をアピールしていきたい」と話した。
また、近年生産量・販売量ともに成長を続けるぶどう担当の伊藤謙三主任は「県内での生産量ではまだまだ成長段階だが、一大産地に対抗できるようみなみ信州産ぶどう全体の品質を向上させていきたい。高品質商品"輝房"の取り組みを拡大し、販売先から選ばれる産地を目指していきたい」と話した。
同JAによると2021年度の出荷計画は、桃が145,480箱(1箱5kg、前年対比119%)、梨が351,535箱(1箱10kg、同対比112%)、リンゴが163,515箱(1箱10kg、同対比105%)、ぶどうが29,120箱(1箱5kg、同対比106%)。
同JA営農部によると、1月~4月上旬の気温が高温で推移し、果樹全般記録的に早く生育した。4月中旬~5月上旬は低温が続き生育が例年並みに落ち着いた。凍霜害の影響も少なく、総体では概ね着果量の確保ができ生育は順調に進んでいる。
同JAでは早生桃、施設ぶどうの出荷が始まっており、梨、りんごと続き12月末までJAみなみ信州産の果実リレーが続いていく。