JAみなみ信州と行政が連携して取り組む南信州担い手就農研修制度の研修3期生3人と4期生5人は18日、下伊那高森町の圃場でJAみなみ信州特産市田柿の摘果の実践研修を行った。
同制度で取り組む市田柿の栽培研修会では、2年目の3期生は1人2本、4期生は1人1本ずつ柿の木を与えられ、それぞれが研修に沿って作業を行い、年間を通した管理を行っている。
この日研修生は同JA営農部営農企画課の田中廣彦さんから、柿部会の指導会で使用する資料を元に市田柿の摘果作業や防除作業について説明を受け、実際に担当の木で摘果作業を始めた。
3期生の板敷樹人(いたしき・みきと)さん(28)は「地方で独立した暮らしがしたい」と考えていた時、縁あってこの研修制度を知り神奈川県から妻とともに豊丘村へ移住した。「研修2年目なので今年はさらに理解を深めて就農に向けたイメージを膨らませて取り組んでいる。この作業も2回目なので昨年を思い出しながらじっくり木と向き合っていきたい」と話した。
4期生の牧島誠(まきしま・まこと)さんは数年前に父が亡くなったことがきっかけで就農を考え出し、今年参加を決意した。「親戚や先輩が農業で成功している姿を見て、自分もどこまでできるか挑戦してみたいと思うようになった。本格的に市田柿の作業を行うのははじめてだが、自分の木から良い柿が採れるようしっかり管理していきたい」と意気込みを語った。
指導した田中さんは「研修を終えて就農してからがスタート。研修生が就農して地域農業を盛り上げる存在になれるよう指導していきたい」と話した。
同制度は、それまで各行政やJAがそれぞれに進めていた新規就農者誘致事業を、官民が一体で推進することで南信州を広く知ってもらおうと2017年12月に発足。JAみなみ信州と管内の全14市町村が連携し誘致活動や2年後の独立就農を目指した研修を行い、これまでに1期2期の研修を終えた9人が管内で独立就農している。
同制度の研修生は、研修制度の推奨品目"夏秋きゅうり"と"市田柿"の複合経営の実践研修を中心に2年間の就農研修に取り組み、研修終了後には所属市町村での就農を目指していく。