JAみなみ信州担い手支援室と南信14市町村で構成する「南信州・担い手就農プロデュース」は2日、同JAみなみちゃんホールで、JA、南信州広域連合、各行政就農担当に加え、初めて各行政移住・定住担当を招き、第2回担い手就農プロデュース会議を兼ねた南信州農住事業合同事務局会議を開催した。就農と移住・定住の両セクションの連携強化を図り、就農希望者に住居などの定住先を円滑に提供する農住事業の協働体制を目指す。
同プロデュースは、同JAと管内8つの市町村が連携し2017年に発足。現在は管内すべて市町村と連携し、都市部で行う就農相談会や現地見学会など就農希望者の掘誘致事業に取り組んでいる。
また、就農希望者に栽培技術や農業経営について学んでもらうため、2年間の実習研修を行う「南信州担い手就農研修制度」を2018年からスタート。同研修では、当地域での就農を目指す各行政の地域おこし協力隊員も研修生として受け入れて、JAと行政が一体となって就農支援を行っている。
この日の同事務局会議では、就農希望者の移住・定住先の希望や期待に応えられる農住事業を構築していくため、JAと行政就農担当の就農支援セクションと行政の空き家バンクなどを担当する移住・定住セクションとの更なる連携の強化について協議され、就農希望者が就農と定住先の準備を同時に行えるように、就農相談会での住宅情報の提供、就農研修生に対して住宅・農地情報の早期提示など、具体策的な取組方策が確認された。また、先進地域の優良事例や各行政の就農にかかわる移住状況について情報交換も行われた。
併せて、新型コロナウイルスの感染状況下でのオンライン就農相談会の実施や対面式就農相談会の対応など今後の活動計画について報告がされた。
同JA寺沢寿男組合長は冒頭のあいさつで「南信州・担い手就農プロデュースの就農希望者の誘致から就農支援事業は全国的に先進的なシステムが出来つつあり、行政の皆さんが果たした役割は大きい。農業を次世代につなぎ、農業を軸とした魅力ある地域をつくっていくため、今後もJAと行政がそれぞれの役割を果たすことが求められている」と述べた。
同プロデュースを担当する同JA担い手支援室澤栁実也所長は「家族構成や資金面などのニーズに合う住居を提供できなくて、南信州での移住希望者でも他の地域に流出するケースもある。住む家が決まることで地に足が着いた就農となる。就農希望者が望む農地と住居を提供できる体制が必要になっている」と話した。