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米ぬかで良い菌を生かそう | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: いいJAん!信州|May 30, 2021 3:00:00 PM

JAグリーン長野花き部会トルコギキョウ専門部は5月29日、「土壌還元消毒方法」の実演講習会を開いた。松代町の島田武さんのビニールハウス施設を会場に、専門部員8戸が参加。長野農業農村支援センターとJA営農技術員を講師に、「米ぬか」を使用した消毒方法を実演した。
これは古くから実践される農法の一つで、多量の水と有機物(米ぬか等)をほ場に投入し、ビニール等で被覆して、太陽熱を利用して還元化を促進するもの。地温30℃以上を確保することによって、土壌内で微生物が急激に増加し酸素を消費、土壌の酸欠と高温によって土壌病原菌が死滅する。トルコギキョウをめぐっては、フザリウム菌による立枯病が課題となり、毎年、定植前に薬剤散布を行って対策を講じているなか、薬剤散布は、土壌内の良い成分も殺菌することから、良い菌を残し、病気の原因となる菌を無くそうと、この土壌還元消毒方法を提案した。
実施日は、温度が確保される日を狙うため、作業時・作業後に晴天・高温が続く日を狙う。急遽実演講習会も定植に間に合うことと天気を見て急遽日程を変更して行った。ほ場では、2アールに200kgの米ぬかを散布。島田さんが、トラクターで15cmほどを耕うんし、土と米ぬかを混和するところと、かん水ホースでかん水するところまでを講師の説明を聞きながら見学した。講師は「人にも優しい方法」。生産者は「どのくらいの臭いがするのかなどを一緒に観察させてもらって、取り入れられたら良い」と話した。
ほ場は、水田で言う代掻き後の土壌になる程度まで1時間半ほどかけて水を入れ、ビニールで被覆。ハウス内を密閉し、3日ほど置くと臭いが発生。20日間ほど置くことで殺菌効果が得られる。米ぬかから窒素分などが供給されるため、処理後は減肥する。
JAとセンターでは、温度計を設置し、経過観察を行うとともに、定植以降の効果測定をする。6月3日に開催するほ場巡回でも会場を訪れ、臭い等、経過観察を行う予定だ。