JA信州諏訪の富士見町営農センター管内で5月10~13日までの4日間、水稲直播(ちょくは)栽培の播種作業を行った。同町の農作業受託部会のメンバー6人が15戸の66ヵ所の田合わせて12ヘクタールで作業した。
水稲直播栽培は、水田に種もみを直接まくため育苗作業が不要で、省力、低コストの実現により、高齢農家でも生産の維持、拡大できるとして期待されている。直播栽培に取り組む同受託部会は2007年の導入以来、技術を改善しながらJAと連携して直播栽培を支援している。
5月10日の直播作業は、2台の専用の農機がフル稼働。1台は衛星利用測位システム(GPS)を搭載しており、田の形状を認識し、自動運転が可能。また播種と同時に除草剤を散布できる。この機械は2019年に導入し、人が支柱を使って作業域を指示していた従来機に比べて作業効率が向上。オペレーターの指示通り、発芽を助ける酸素供給剤などをコーティングした種もみ(きらりん、アキタコマチ、コシヒカリ)を水田にまいた。
同町の三井幹人さん(66)は「播種から出芽までの水の管理など苦労するが、育苗用道具もいらないので、水田を増やしても対応できるところがとてもありがたい」と話した。
JA担当者は「直播栽培の収穫量は育苗栽培に比べて少し落ちるが、労力やコストは軽減するので、それぞれの田に合う作業方法を検討し利用してほしい」と呼び掛けた。