JAグリーン長野で3月中旬、施設栽培の「アスパラガス」の出荷が本格化している。日量は300束(1束=100g)。かつては施設作が主の産地だったが、高齢化や農業従事者の減少に伴い、露地作へと栽培が切り替わり、施設作の出荷者は約34戸中11戸に留まる。しかし、露地に比べ、高単価で取引が見込まれ、農産物が少ない時期に市場や売り先を盛り上げる貴重な品目であり、JAでは生産者に積極的に生産振興を呼びかける。
長野市松代町の松代農業総合センターで3月12日に開いた目揃会には新規出荷者を含め4人が参加。富澤繁男次長が出荷規格、出荷上の注意点を説明した。規格は1円でも高い販売につなげるために、太さに応じて8等級を設ける。26cmの長さに切りそろえ、穂先を内向きにして100gで束ねるなど、荷姿をそろえ、規格に沿った選別を指導。また、市場出荷を中心とするが、多様な消費動向に合わせ、JAを通じ、直接スーパー等へ販売にも取り組む方針や、生産者の負担軽減へ、バラでの荷受け・センターでの荷造りなどを検討していることを説明した。富澤次長は「アスパラがよく伸び、振り向けば収穫できるくらいの時期になってきているので、ほぼ毎日収穫となるが、適期収穫に努め精力的に出荷してほしい」と呼びかけた。施設栽培の最盛期は3月20日(彼岸)以降から4月上旬まで。4月上旬には露地ものの出荷が始まる予定。JAでは、品質の良い施設栽培品の出荷で高単価を維持し、露地へと出荷にバトンを渡す考え。全体の出荷量は6トンをめざす。