長野県南信州農業農村支援センター、JAみなみ信州青年部、南信州地区就農促進協議会は14日、2020年度の南信州青年農業者活動成果発表会を、飯田市追手町の長野県飯田合同庁舎で開いた。活動成果発表5人、プロジェクト発表3人の中から、県大会に当たる「明日の長野県農業を担う若人のつどい」に出場する代表として、活動成果発表で壬生紘彰さん(豊丘村)、プロジェクト発表で南信州おひとよし倶楽部の飯野悠子さん(阿南町)が選ばれた。
およそ60人の若手農業者らが参加し、下伊那農業高校食品化学科が参考発表を行った。
壬生さんは埼玉県出身で、2004年22歳で祖父が暮らす豊丘村へ移住。2012年には農家民泊ひがしを開業し、2020年からは有害駆除される鹿を食用に解体する事業をスタートさせた。
壬生さんは「駆除したら食べることが当たり前の社会をつくりたい。そのためにもまずは採算の合う事業に成立させます」と発表した。
プロジェクト発表の飯野さんは「鈴ヶ沢の伝統野菜を利用した地域振興」について発表した。
地域おこし協力隊として阿南町に2014年着任した飯野さんは、過疎が進む山間地和合地区に伝わる伝統野菜の認知度向上や販路拡大のため、農業体験イベントや加工品作りを仲間とともに展開している。
飯野さんは「必要とされることは存続し続けるために重要な要素で、先人が大切にしてきた栽培、食べ方、想いを受け継ぎ、自分たちの野菜として命を繫いでいけるよう取り組み続けていきます」と発表した。
参考発表の下伊那農業高校食品化学科は遊休農地の活用と地域交流について取組みを紹介。そばや大豆の栽培を地元小学生とともに取組み、また収穫したそば粉を活用したそば打ちや販売経過を報告した。