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コロナ禍で販売増 シナノリップ販売額過去最高 | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: いいJAん!信州|Jan 5, 2021 3:00:00 PM

令和2年度のJAあづみのリンゴ販売額は、2月末見通しで前年比111%、2億3千万円増の24億円。激動のコロナ禍において昨年実績を上回りそうだ。
特に早生種の「シナノリップ」は、春先の凍霜害の影響もなく順調に生育。食味や着色が市場関係者に高く評価され、同比340%の8569箱(1箱10キロ)を出荷。約4000万増の5300万円を販売し過去最高の販売額となった。
コロナ禍の「すごもり需要」に対し、安定した供給ができた事や、青森県産貯蔵リンゴの市場流通が極端に少なかったことが、高単価での販売につながった。
営農経済事業部果実課中村洋一課長は「近年、稀に見る高値だった。初期収量が思うほど上がらず今後の栽培方法に課題は残るが、市場評価が高く来年も期待できる」と期待を滲ませた。
早生種の主力品種「サンつがる」、「シナノスイート」や晩生種の主力品種「サンふじ」は一部地域で雹害があったものの、強風による落果などが少なくそれぞれ県下トップの出荷数量となった。
一方、10月下旬から販売を開始した「ぐんま名月」など晩生種の販売は、青森県産のリンゴ中生種「サンつがる」「早生ふじ」などの極端な選果遅れにより、製品が市場に停滞したことで伸び悩んだ。
今後、コロナ禍の販売対策や気象変動に対する生産技術対策などの課題に対し、市場関係者や関係機関と情報を共有し、有利販売による農家手取りの確保に努めていく。
降幡孝由常務は「コロナ禍で見えてきたことがある。今年も生産者とともに安心安全な安曇野産リンゴを全国の消費者に届けたい」と話した。