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ハイジの里売上6億目前 地道にひたむきに | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: いいJAん!信州|Jan 26, 2021 3:00:00 PM

安曇野市豊科の大型農産物直売所「安曇野スイス村ハイジの里」の売上が6億円に迫っている。令和2年3月~令和3年1月25日現在までの売上高は、前年同期比31%増の5億6770万円(税抜)。そのうち生産者登録会員の売上が同44%増の2億4376万円(同)と特に大きく伸びており、すでに目標の2億円を突破した。また、レジ通過者も同44492人増の304748人と順調に伸びている。
好調の要因として新型コロナウイルス感染症の拡大により家庭での消費が増えるなか、より近くで安心・安全な農産物を買い求める来場者が口コミ等を通じて増加、これにあわせ農産物を出荷する会員が「並べれば売れる」と出荷量を増やしたことや、来場者との会話を「接客の基調」とするスタッフに多くのファンがついたことなどが挙げられ、オープン以来地道に続けてきた活動が実を結びつつある。
オープン当時は会員の農産物の出荷量が少なく、同じ品目でも品質や価格にバラツキがあり、一日の来店者数が数十人の日もあった。地元の生産者が作った「新鮮で品質のよい安心安全な農産物」が揃う売り場にしたいとの想いから、生産者を訪問し出荷依頼を続けたものの「他に出すから」と断られることもあったという。それでも、「ハイジの里周年祭」や「新米祭り」、「リンゴ祭り」などのイベント企画や一ヶ月毎のイベントカレンダーを作成し店内の目立つ場所に貼付するなど、「売れる」売り場作りと安定した客足の確保を行ってきた。
いつしか、既存の出荷者会員は出荷量を増やし、新規出荷会員も増え始めた。見た目や梱包方法を工夫するなど生産者同士の商品力を高める競争も始まり、品質の良い農産物が数多く揃うようになった。来場者が安心安全な農産物を求める=農産物が売れる=生産者は出荷に意欲的になるなど「好循環路線」に乗っている。
特に本年は新型コロナウイルス感染症の拡大に悩まされつつも、3月からは「お家で食べるご飯はおいしい」をテーマに家食応援企画を実施。家庭内消費を促すため、スタッフオススメの旬の農産物をセンターキッチンなどのイベント企画コーナーに目立つよう配置。花ワサビやネギ、山菜、アスパラガスなどが人気を集めた。安曇野産米は店内購入品に限り精米無料にするなど定期的にイベントを企画。30キロ袋で買い求める客も多く、生産者のこだわりのお米が人気となった。地域住民などがコロナ禍で外食を控え、地元の新鮮な農産物を買い求めようになった。
新型コロナ対策の一環として10月に導入したセミセルフレジや2人制POSレジは、混雑緩和はもちろん、客の回転率を高める効果を生み、翌11月にはオープン以来過去最高売上を更新する7341万円の月間売上を記録した。
後藤祐輔店長は「これからも他の小売店には、絶対に負けない鮮度や品揃えで、来場者の期待を裏切らないようにしていきたい。生産者やスタッフの協力を得ながら、感染症対策にも注力し、もう一度来たいと思える売り場にしていきたい。」と意気込んだ。
出荷農家らでつくる安曇野スイス村ハイジの里運営協力会の榑沼正次会長は「オープン以来、苦悩の日々が続いたが地元の安心安全な農産物を消費者に届けるための体制が整ってきた。今後も、更なる飛躍に向け関係者一同、一丸となって活動していきたい」と話した。
毎年2月に開催され恒例となっている「福豆まき」は残念ながら中止となったものの、2月1日には「ハイジの里取扱額6億円・会員2憶突破記念大会」を開催し、6億円達成に向け会員、スタッフの意志結集を図る予定だ。