JA佐久浅間は10月26日から組合員専用の「生産資材受注サイト」を開設し、試験運用を始めた。インターネット受注システムを導入することで業務の効率化を図り、組合員サービスの向上につなげるのがねらい。当面は予約注文書との併用だが、組合員への周知を図ってサイトの普及を進める。
同サイトは、来年度の春肥の予約注文が始まる10月からの運用を目指し、株式会社エヌ・ティ・ティ・データの協力を得て開発。資材を取り扱う営農経済部生産資材課と、事業改革の中核を担う企画総務部事業改革推進課を中心に協議を重ねて約2カ月で試験運用にこぎ着けた。同サイトは組合員コードなどの初期登録で、気軽に注文できることをコンセプトに開発した。現在、水稲を中心に肥料や農薬、各種資材など予約品200点、当用品60点を掲載し、インターネット環境を使って24時間注文受付が可能。予約と当用のみ価格設定で明確化を図り、当用はクレジット決済の選択もできるように設定した。今後、野菜や果樹など取扱品目を増やすほか、販売傾向などを分析して随時、商品の入れ替えや新商品の追加などに対応する。
コロナ禍で組合員への訪問などが制限される中、スマートフォンなどから注文できる手軽さが注目されて問い合わせも多く、運用開始から約1カ月間で150人の登録があった。JAでは窓口の営農経済部生産資材課を中心に各専門委員会や部会などにPRし、普及に取り組む。11月の組合員訪問で昨年度の実績データから約9000戸の水稲農家に対し、従来の予約注文書とともに受注サイトのチラシを同封して配付した。
JAさく野菜部会葉洋菜専門部の副部長を務める佐久市三河田の磯貝武晴さん(64)は「家にいながら発注できる手軽さが良い。購入履歴も確認できるので、在庫管理などに役立てたい」と使用した感想を話す。営農経済部生産資材課の内堀長仁課長は「サイトを有効に運用し、組合員に対してより多くの情報提供と注文窓口を広げることで利便性と農家所得の向上につなげたい」と話している