「県の伝統野菜」に認定されている「牧大根」(信州地大根)の普及に取り組むJAあづみ女性部西穂高支部の「牧大根プロジェクト」は15日、安曇野市穂高牧の約23アール畑で牧大根を収穫した。
今年は病害虫が多く見られたものの、9.10月の好天により順調に生育し、例年並みの約7000本を収穫した。プロジェクトメンバーら19人が、次々に引き抜いた牧大根を大きさごとに分けて10本ずつ束ねていった。
牧大根は長さ20センチほどで先端に行くほど太くなる独特な形をしている。通常のダイコンに比べて肉質が緻密で硬く、漬物にすると独特の歯応えと甘みある。この日までに県内各地から約4000本の注文が殺到しており人気が高い。
数年前まで11月中旬に開催されている直売イベント「牧大根祭り」へ参加し販売していたがメンバーの高齢化が進み、収穫作業や会場への搬入、販売要員の確保が難しくなってきた事から今年も参加は見合わせた。それでも、購入希望者からの問い合わせが多く16日、同畑で1束(10本)500円で販売した。
降籏房子(ふりはたふさこ)代表(79)は「8月下旬の豪雨で中止を検討せざるを得ない状況だったが、地元農家やメンバーの協力により無事に収穫出来たことが嬉しい」と話した。
同プロジェクトは11月20日頃から漬物作業に取りかかり、12月20頃から安曇野うんめえ漬けの「しょうゆ漬け」を、来年の1月下旬から2月上旬から「ぬか漬け」と「かす漬け」を同市の大型農産物直売所「安曇野スイス村ハイジ里」などで販売する予定だ。