伊那市や長野県南信工科短期大学校、JA上伊那などで構成される「露地野菜でのスマート農業×精密機械工業の技術結集×農福連携による伊那市産業コラボプロジェクト」は11月5日、先端技術を活用したスマート農業の第1回実演会を同市西箕輪の(株)JA菜園で開いた。プロジェクト関係者や生産者ら約70人が参加。今回は白ネギの自動収穫機や皮むき機、選別機、自動走行トラクターなどについて説明、実演を行った。
市では国の地方創生推進交付金などを活用し、JA上伊那の協同会社(株)JA菜園を実証試験場として今年度から3年かけて白ネギの収穫作業時間の削減など効率化を狙う。
これまで白ネギの収穫は、トラクターで根切り作業を行った後、人の手で引き抜き、コモという布で束ねていた。自動収穫機を使用することで掘り出された白ネギはオペレーターにより根ほぐしされ後方の作業員がそのままコモで束ねることが可能。1畝(約4,000本)が5人で80分かかるところ、3人で約40分にまで短縮。時間と人の効率化が図れる。
選別機は太さなどを見る際に目視で行っていた選別作業が自動化され、選別機に置くだけでLや2Lといった階級ごとに選別ができるため、経験が浅い人でも作業ができるようになる。
自動走行トラクターはGPSを搭載。直進精度の高い畝立てが可能となり、初心者でも扱いやすく、無駄のない作付けができることで収量の向上が見込まれる。
同社の社長を兼務するJAの下村篤営農経済担当常務は「今回のような実演を見れば若い人や女性の農業に対する関心が高まると思う。畑作地帯の発展のため、これからもスマート農業実現に向けて関係機関と連携して進めていきたい」と話した。