JAあづみは23日、安曇野市三郷のJA果実中央選果所で世界一小さいリンゴ「アルプス乙女」を初選果した。
8月のひょう害や9月の天候不順により傷果などが見られるものの、例年よりも着果量が多く収量が見込まれる。
同JA管内では約50アール栽培され、今年度は昨年度よりも100箱ほど多い、約1000箱(1箱8キロ=16パック入り)を主に名古屋や広島、九州などの市場に出荷する予定。
選果前にJA三郷地域営農センターの宮腰政寛営農指導員が、選果員約40人に等級や階級などの規格を説明。
選果スタッフは、果実の傷や日焼け、さびを確認しながら特秀と秀の2等級を、重さ別の3L~Mの4等級に分けてパック詰めした。
「アルプス乙女」は、松本市の農家が「紅玉」と「サンふじ」の混植園で育成・選抜した品種。直径が約5センチと小さく、重さが約30~60グラムと「サンふじ」に比べて10分の1程度。
果皮は鮮紅色で、果肉は硬め。甘さの中にほどよい酸味があり、味が濃縮されている。小さくて食べやすいことから、屋台のリンゴ飴に使われている。宴会料理やサラダ、デザート向けに旅館やレストランからの需要もある。
宮腰政寛営農指導員は「果実は小さく、見た目は可愛いが栽培に大きな苦労がある。消費者には見た目はもちろんのこと、味も楽しんでもらいたい」と話した。