県内JAの話題

地域・担い手待望!工事着手へ

作成者: いいJAん!信州|Oct 15, 2020 11:06:00 PM

長野市若穂綿内の「綿内東町地区農地中間管理機構関連農地整備事業実行委員会」は、営農地中間管理機構関連農地整備事業を取り入れ、山新田工区の区画整理や畑地かんがい施設整備の工事着手にこぎつけた。高生産性果樹団地化、担い手への農地集積、りんご高密植栽培・新わい化栽培の導入による地域の課題解決と農業のさらなる発展をめざしている。
同市若穂は果樹を中心に営農が盛んな地区。今回の事業対象となる山新田工区(12.8ヘクタール)ではりんご栽培が盛んだが、傾斜地(主傾斜15%)に位置し、狭小な区画と石垣が支障となって防除機の安全走行が困難、また、高齢化による農家減少と荒廃農地の増加が課題となっていた。2017年(平成29年)、土地改良法の改正で中間管理機構への委託により、受益者負担なしで基盤整備が可能になることを知った地区の農業委員らが同年4月に準備委員会を設立。地区農家、長野地域振興局(県)、長野市、(一社)長野市農業公社、土地改良事業団体連合会、地元JAが関わり、区画整理等による生産性の向上と荒廃農地の再生、農地中間管理事業の活用による担い手への農地集積促進、リンゴ高密植栽培・新わい化栽培の導入による収益性の向上を目標に掲げた。
法案成立とともに、既存生産者への働きかけに取り組み、2018年(平成30年)に受益地全てに農地中間管理権を設定。合わせて、担い手への農地集積に向けて認定農業者ら担い手を募り、生産者は22人うち認定農業者は17人と、担い手への面積集積率は81.6%となり、生産者の年齢層も、現行の50代~70代が100%のところが、30代~50代で約70%に若返ることとなった。栽培面積は、りんごを中心にぶどう、プルーンなど約9ヘクタール。工事により地形勾配は10%までに抑えられる。果樹経営支援対策事業等によるリンゴの高密植栽培、シャインマスカット等の導入を順次進めることで、区画平均1,000平方メートルを約3,100平方メートルまでに拡大する見込み。担い手の一人は「全国でも先駆けとなる事業で、責任重大。ちゃんと稼げる農業をめざしていきたい」と意気込んでいる。
実行委員会は10月14日、「県営綿内東町地区山新田工区区画整備整理工事起工式」を工事予定地で開催。実行委員、行政、JA関係者らが出席し、工事と事業の無事を祈った。駒村和久委員長は、事業の経緯を振り返り各所の協力に感謝を伝えるとともに、「令和4年の春には担い手が植栽できるように、工事の無事を祈る」と挨拶。長野地域振興局長や加藤英夫長野市議会議員、JA神農佳人組合長もそれぞれに実行委員会生産者への労いと工事の無事を祈願した。
農地中間管理機構関連農地整備事業の区画整理、畑かん施設設備、石礫除去、農道整備は令和5年までを予定し、2022年(令和4年)3月には苗木定植を見込む。合わせて、綿内清水工区(10ヘクタール)の区画整理着手にも事業を進めていく。