昨年の台風19号豪雨により千曲川の堤防が決壊した影響で浸水被害を受けた、長野市大町のJAながの「ながのフルーツセンター(旧長野平フルーツセンター)」は、稼働不能となった大型選果機などの入れ替え工事が完了し、9月22日、本格的に稼働を再開した。初日は、リンゴ「秋映」を200箱(1箱=10キロ)の選果、荷造りを行った。翌日以降に出荷する。
稼働式を行い、JAの役職員や組合員の代表者ら20人が出席。JAの宮澤清志組合長が選果機の稼働ボタンを押すと、リンゴを積んだローラーコンベアが動き出し選果作業が始まった。フリートレー式選別設備、自動箱詰め装置、品質センサーなどのシステムを導入した最新式の選果システムで、選別時の品質維持と作業の効率化、着色・糖度センサーの利用による付加価値を付けた販売が可能となる。
式典では、被災農地の復旧に尽力した信州農業再生復興ボランティアプロジェクト実行委員会の長野県NPOセンター、長野県社会福祉協議会、長野県生活協同組合連合会に感謝を込めて、初荷の秋映3箱(1箱=同)をそれぞれに贈った。また、今年7月の豪雨災害で甚大な被害を受けた熊本県の3JAの支援として、秋映計60箱(1箱=同)を発送し早期の復興を願った。
宮澤組合長は「台風19号災害から1年が経過しようとしているが、被害に遭われた組合員の家屋や農地の復旧は道半ば。JAは、復旧した施設の機能発揮や支援対策により、組合員とともに地域農業の再生を図る」と力を込めた。