佐久市志賀の姜海龍さん(40)は、4ヘクタールの圃場で、ズッキーニを中心にミニトマトやレタス、インゲン、カボチャなどを栽培する専業農家として活躍している。
中国遼寧省出身の姜さんは日系商社に勤務していたが、2009年にライフスタイルを変えようと決意し来日。東京でパン屋に勤務し、12年に独立。原材料にこだわったパン屋として人気があった。経営しているなかで、原材料の大切さにあらためて気付き、自ら栽培してみようと、東京での就農相談会に参加。姜さんの希望していた、東京から近く、四季のハッキリとしている地域ということで佐久市を紹介される。14年から2年間の里親研修で、ズッキーニとミニトマトの有機栽培の技術を磨き、JA営農指導員やJA農家経営支援対策チームの支援を受け、独立してズッキーニとミニトマトの栽培を始めた。
当初70アールの圃場から始め、現在では4ヘクタールまで拡大。従業員9人と共に、最盛期には日量300ケース(1ケース2キロ)のズッキーニを出荷している。「有機栽培で、農薬など使えないので除草が大変ではあるが、消費者に安全・安心の野菜を届けたい」とこだわりがある。
JA農家経営支援対策チームの井出明リーダーは「真面目で良く働く、とても優秀な人材。わずかな期間で4ヘクタールまで面積を広げてとても驚いた」と話している。
姜さんは「当初はかなりの不安があった。しかし、今では皆さんの温かいサポートがあるので楽しい。農業はキツイ・汚いイメージがあるがとてもやりがいがある。楽しく・カッコイイ農業を目指している」と笑顔で話した。