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「山恵錦」拡大へ | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: Admin|Aug 28, 2019 3:00:00 PM
「山恵錦」を栽培する水田を見学する参加者

長野県は26日、酒造好適米の新品種「信交酒545号(山恵錦)」の産地検討会を大町市で開いた。栽培しやすく、加工適性が高いことから期待が高まる同品種の一層の生産拡大とブランド化に向けて初めて開催。県内の生産者やJA、酒造会社、行政の関係者ら約50人が参加した。圃場(ほじょう)見学や意見交換などで、品種の特徴を確認した。
同品種は県農業試験場が育成。同じく県が育成し、県内外で広く栽培されている「美山錦」よりも、栽培しやすく収量が多い。倒伏しにくく耐冷性に優れるので、標高が高い地域でも栽培が可能。いもち病にも強い。大粒で心白ができやすく、加工適性も優れている。2018年産米で前年より15社多い27社の酒造会社が採用した。
県内で18年産の栽培面積は21ヘクタールで、生産量は130トン。19年産は30ヘクタール以上の予想だ。酒造好適米主産地のJA大北管内でも、大型農家を中心に、松川村や大町市などで栽培され、19年産は前年より7ヘクタール多い19ヘクタールに上る。検討会では、同市の法人生産者「ヴァンベール平出」の圃場を見学。同社は「山恵錦」を5ヘクタールで栽培する。
平出亨代表は「美山錦よりも背丈が伸びず、倒伏しにくいので栽培はしやすい印象。ただ、美山錦などと収穫時期が重なる点は、検討が必要だ。今後の需要も考え、生育状況などを確認しながら最善の栽培方法を模索していきたい」と話した。
品質向上に向けた取り組み事例として、水田に設置したセンサーを水位管理に活用することなどを県職員が説明した。
JAときわ支所では、JAと酒造会社の担当者らが、同品種の特徴と県内の生産状況、栽培と醸造それぞれの観点からのメリットと課題などを話した。参加者による意見交換も行った。
JAは「美山錦に代わる品種として期待している。今後の需要も考えた上で、酒米の集荷体制なども検討していきたい」としている。