長野県千曲市雨宮のA・コープあんず店で、秋の風物詩、小ブナの販売が行われた。産地の佐久地方から5センチほどの小ブナが1キロずつ袋詰めされ、生きたまま直送。11日は約220キロを用意し、開店と同時に予約注文した人たちが買い求めていた。
県東北信の地域では、昔から小ブナを調理する食文化がある。生きたまま、しょうゆと酒で煮て、砂糖、みりんで味付けする。骨も内臓も丸ごと煮詰めた甘露煮は、たんぱく質やカルシウムの栄養源で、古くから郷土食として親しまれている。
市内から来た60代の女性客は「小ブナの甘露煮は、ふるさとの味。毎年、待っている人もいる。家庭で受け継がれた郷土食を子どもたちにも伝えたい。帰ったら早速、調理に取り掛かりたい」と話した。