JAちくまあんず部会と長野農業改良普及センターは、千曲市森地区と更級地区でアンズの細菌性病害対策と新梢(しんしょう)管理について講習会を開き、合わせて約60人の生産者が出席した。講習会では、同センターの町田希実さんが、生育状況や今年度の細菌性病害などの発生状況、今後の防除対策を説明した。
JA管内では2009年ごろをピークに、アンズの表面に黒い斑点がでるかいよう病や赤アザ症などの細菌性病害が発生した。現在は生産者の防除意識の向上と、地域を挙げた防除対策の徹底により発病が抑えられ、菌密度が低下している。
ただ、菌密度は低下しているが今年度は発生が確認されるなど、対策の継続は不可欠。町田さんは「多発させると収束に多くの労力と費用、年数を要する。定期防除や春型枝病斑などの感染が疑われる枝は切除を」と呼び掛けた。
同部会部会長の久保勝義さん(70)は、地元の名所「あんずの里」の景観を保持する景観木や放任された園地が、細菌性病害やマイマイガなどの発生源になっている状況を指摘。「景観木は樹高もあり防除に苦慮している人が多い。対策を検討する必要がある」と話した。
JAによると、今年は平年より生育が5~7日程度進んでいるが、生育自体はおおむね順調。出荷は6月中下旬から7月中旬の見通し。