県内JAの話題

JICAプロジェクト協力、ミャンマー医療充実へ | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: Admin|Apr 1, 2015 3:00:00 PM
医療事情を聞き取る関係者ら

JA長野厚生連佐久総合病院は、これまで積み重ねてきた農村医療や地域医療のノウハウを世界に発信することで、国際保健医療への貢献活動に取り組んでいる。その一環として2014年11月から、ミャンマーでの医療充実を図る国際協力機構(JICA)によるプロジェクトに協力し、医師の派遣や専門的見地から助言を行っている。
プロジェクトが始まった昨年11月には、同病院国際保健医療科の加藤琢真医師が同国カヤー州へ出向き、13ヵ所の病院で医療機材や医薬品、医療従事者の能力などを調査した。同州はタイとの国境沿いにある小さな州で、電気が通っていない村が多く、厳しい医療事情に置かれている。
加藤医師によると、現地の病院では薬剤が豊富に入りつつある一方、電気を必要とする医療機材は依然として不足している。また、簡易血糖測定器がないのに糖尿病の薬が多量に入ったり、医療従事者が使ったことのない薬が病院に届いたりしているのが実情という。
加藤医師は「医療サービスのアンバランスは供給体制の改善が必要。どの水準の病院で、どのような医療を提供するべきかを、ミャンマーの人たちと一緒に検討する必要を痛感した」と話している。
JICAの技術協力プロジェクトは4年間続き、同病院のスタッフも年に3、4回現地へ出向き、州病院や州保健局の医療者と一緒に活動を継続する予定だ。
ミャンマーは近年、全ての国民が適切な保健医療サービスを必要なときに負担可能な費用で受けられる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」の実現を戦略として打ち出した。JICAはミャンマー政府からの要請を受け支援に乗り出している。