JAちくまぶどう部会葡萄夢倶楽部(ぶどうゆめくらぶ)は、JA営農経済部(千曲市内川)で栽培研修会を開き、生産者ら20人が出席した。倶楽部は、部会有志で構成。主流になっていない品種の試作や栽培技術を検討し、部会に広めようと活動している。
今回は協和発酵バイオ(株)の宮﨑忠勝課長補佐、長野県果樹試験場環境部の伊藤正主任研究員を招き、無核ブドウの栽培について、さまざまな事例や試験結果などを交えた講習を受けた。
宮﨑氏は「種なしぶどう『ジベレリン』『フルメット』の利用について」と題して、ジベレリン処理の適期やフルメットでの花穂発育処理の特徴を解説した。通常2回行うジベレリン処理を1回処理での成功のポイントも説明した。
伊藤氏は「無核ぶどう施肥技術について」と題して、窒素吸肥特性を説明した。加温ポット栽培の「シャインマスカット」施肥試験結果では、生育初期の窒素施肥は初期生育に有効に働くことが期待できる。収穫後の窒素施肥は多くが根に分配されることから貯蔵養分確保と翌春の生育にプラスになることが期待できることなどを解説した。
試験結果を基に、露地ブドウでの実証試験を行い、施肥時期や施肥量について検討する必要があると説明した。「ナガノパープル」の裂果発生に関して、葉柄汁液の硝酸イオン濃度との関係についても報告した。
倶楽部代表の宮嶋正行さん(72)は、「新たな栽培技術が確立されれば、作業の省力化も図れる。また、施肥によりナガノパープルの裂果を抑えるなど、良質なブドウ栽培にもつながることなど今後に役立つ。研修を生かした栽培に取り組み、より良いブドウ栽培を部会にもつなげていきたい」と話した。