JA長野厚生連長野松代総合病院は12月、長野県内第1号となる「信州ドクターヘリ要請者」認定を受けた。緊急転院を要する場合などに消防機関を介さずドクターヘリの出動を要請できるようになり、より迅速な医療活動が可能になる。ヘリポートは免震構造を備えた本館の屋上に設置してあり、大規模災害の発生時も医療を継続できる体制を万全にした形だ。
同病院は2005年度に7階建て本館の屋上にヘリポートを設置。これまで延べ134件(うち病院間搬送は11件)を受け入れてきた。ドクターヘリの出動要請は消防機関などに限られていたが、東日本大震災の発生を受け、昨年11月に一定の条件の下で離着陸場所などの制限が緩和された。
今回の認定を受けて、大規模災害など有事の患者受け入れや病院間搬送など、さらに迅速な医療活動が可能になる。同院は病棟に免震構造を採用し、その施設の屋上にヘリポートを併設しており、直下型地震で道路、架橋などが寸断された場合も人や物を搬送でき、医療の継続が可能な体制を整えている。
最近は県内で土砂崩れの発生をはじめ、御嶽山噴火や長野県神城断層地震など自然災害が頻発している。同院は「ドクターヘリによるさらに迅速な病院間搬送、大規模災害など有事の医療を自助により運用可能にしていきたい」としている。