長野県のJA須高は、リンゴ「ふじ」に袋を掛けて遮光して黄色に仕上げた「マロンなアップル」を出荷した。糖度15以上、蜜入り指数2.0以上で外観と着色を厳選し、JAの新ブランドとして商品化。銀座の高級百貨店で歳暮のカタログギフトとして予約販売したところ、物珍しさも手伝い、ほぼ一瞬で完売し、手応えは十分だ。
「マロンなアップル」は4年前、青年部のプロジェクトから誕生した。果実に当たる日光を遮ることで黄色い「ふじ」に育てる仕組みだが、おいしいリンゴであることが絶対条件。青年部の遠山幸一部長は「袋を掛ける場所を見極めなければ"マロンな"リンゴにならない。丹精した果実は本当に宝石のよう」と話す。
今年はJAりんご部会と協力し合って1万5000玉を目標に生産した。今年は、「マロンなアップル」の取り組みを3年間支援してきた東京都内の果実専門店「サンフルーツ」が、銀座の高級百貨店で歳暮ギフトを企画し、需要がさらに広がった。
同JAは次年度以降、JAのブランド「フルーツハリウッド」(商標登録済み)の高級商材の一つとして栽培技術と選果率の向上を目指す。販売企画課の滝澤聖課長は「JA須高の果物を日本中の消費者に喜んでもらえるよう取り組みを強化していく」と意気込む。