JA佐久浅間は、新規作物としてミニトマト「アンジェレ」の生産振興に取り組んでいる。へた無しで、ばら出荷ができるため作業の大幅な省力化が図れる上、契約栽培により農家の収益性向上も見込める利点がある。JAは講習会を開くなどして県内一の産地として栽培技術を確立し、本格的な導入を目指す方針だ。
JA管内では昨年度から御代田町で栽培を開始。2014年度はJAの呼び掛けを通じ、佐久市を中心に16戸が28アールで試験栽培に取り組んでいる。
「アンジェレ」は全農の独自ブランドのミニトマト。外観はプラム形で一般的な赤玉ミニトマトに比べて糖度が高い。生育は旺盛で根張りが良く、草勢を維持しやすいため長期収穫の作型に適し、病害虫の発生が少ない。10アール当たりの収量目標は夏秋産地で5トン、冬春産地で9トンとされる。
販売面では、契約栽培により農家の収益性確保が期待できる。また、ミニトマトの出荷作業は農家が果実を選別してパック詰めまで行うのが一般的だが、「アンジェレ」はへた無しの状態で出荷できるため、作業を大幅に省力できるのも魅力だ。
佐久市鳴瀬で約25年前からミニトマトを栽培する小林一さん(85)は、JAの勧めで今年5月に336本を定植。小林さんは「へたを付けずに出荷できるので作業が楽になる」と期待している。