JA松本ハイランドは、6月3日に発生した降ひょうで被害を受けたリンゴの技術対策講習会を松本市今井地区の6会場で行い、100人が出席した。同地区は果樹の専業農家が多く、現在までに梨や桃などを含めた果樹類の被害額が2億1000万円に上ることが確認されている。ひょう害を受けた果実について、JAの果実指導係が生育状況に応じた摘果の仕方など今後の管理方法を説明した。
同地区ではこの時期、リンゴの側果を間引いて中心果だけを残す「一輪摘果作業」を進めており、一輪摘果前の場合はひょうによる打撃や傷が少ない果実を残し、摘果が遅れないよう作業を進めるよう指導した。また、2009年にJA管内で発生したひょう害の際に集めた被害果実の生長データを示し、一輪摘果後で傷が果皮で止まっている果実はさびが発生するが販売につながるため、過剰な摘果をしないよう呼び掛けた。
同地区で1.5ヘクタールを栽培する田中祥夫さん(74)は「影響が少ない実を選んで残すしかない。出荷を見据えて管理作業をきちんと続ける」と話した。