長野県の北佐久農業高校は、4月に進級した新2年生から、より実践的に農業を学ぶコースに改編した。1年生で農業の基礎を学び、進級時に興味や関心、進路などに合わせて7コースから一つを選択できる。2015年度に開校する「佐久平総合技術高校」への移行を視野に、少人数編成で専門的な知識をより深く学べるようにし、“即戦力”となる人材の育成につなげる方針だ。
新カリキュラムは3科7コース。環境技術コースは、有機農法や循環型農業といった環境保全型の水稲栽培を中心に学習。測量や農業機械の知識や技術についても学ぶ。動物活用コースは動物の飼育技術を中心に学習し、現代医療の研究に必要な実験動物に関する知識や技術を学ぶ。食品科学コースは、農産物を利用した、みそ、しょうゆ、ジャム、漬物などの食品加工を中心に学習。食品成分の分析に関する知識と技術を学ぶ。
3月からは、今年度の新2年生がコース別の実習を始めている。このほど行った実習で、生徒らは選択したコースに分かれ、販売用のナスの苗づくりや農業機械倉庫の清掃、寄せ植えなどに使う花苗の播種(はしゅ)など初めての実習を行った。
食品サービス科食品科学コースを選択した14人は、同校産みそと福神漬けのラベル貼りを実習。商品価値を落とさないよう丁寧に作業した。畑本正樹さんは「最初は緊張したが、慣れたら楽しくなってきた。将来は食品関連での就職を希望しているので、このコースで多くのことを学びたい」と話した。
同校の掛川渡教諭は「来年開校する新校の1期生としての意気込みを感じる。専門知識の習得を通じ、他校や後輩をリードする存在になってほしい」と期待する。