2月の大雪で多数の農業用ハウスが倒壊し、春に定植する野菜苗の供給が困難になったJA佐久浅間は、県外JAの協力を得て苗の確保にめどを付けた。栃木、静岡の2JAや県外の種苗会社に育苗を委託し、3月下旬からの定植に間に合わせる。行政とJAの復旧支援と併せ、産地維持に全力を尽くす。
JA管内は野菜と花きの生産が盛んで、現在は春の定植準備が本格化する直前。JAは種苗の確保策を検討する中で、以前から産地間交流があった静岡県のJAとぴあ浜松から育苗の協力を得た。また、育苗時期が重ならず、育苗の体制が整っていた栃木県のJAうつのみやの協力などもあって、県外の種苗会社を含め約323万本の育苗を委託した。
3日にはJA営農指導部の職員がハクサイ、サニーレタス、ブロッコリーのコーティング種子約50万粒を委託先に発送。3月下旬から4月上旬の定植前まで育苗してもらう。高橋吉紀部長は「春先の定植予定数は幸い確保できた。全力で生産者の早期経営回復に取り組む」と決意を語った。
5日現在までに判明しているJA管内の農業用ハウスの被害棟数は3595棟で、延べ面積は約38ヘクタール。JAは倒壊した農業施設の再建に向け、融雪剤3000袋(1袋30リットル)を無償配布した他、施設の解体に使うパイプカッターや発電機などの機材を貸与している。今後は行政と連携し、施設再建に向けた経済的支援を行う他、ボランティアを募り施設復旧を手伝ってもらう考えだ。