長野県と県内JAグループなどが主催する2013年度の県レタス品質向上共進会で、御代田町の土屋芳孝さん(39)が最高位の農水大臣賞を受賞した。施肥量を削減しつつ、排水対策や作付けの工夫によって高品質なレタスを安定出荷している点などが評価された。最高位に次ぐ同省生産局長賞は軽井沢町の小宮山政男さん(48)が受賞。JA佐久浅間管内から2人の上位入賞は初の栄誉だ。
土屋さんはレタス栽培14年。作付面積11.6ヘクタールのうち5ヘクタールで栽培する。斉一な生育と病害の抑制に努め、排水しやすいよう畝の向きを改良。トラクターの通路から畑へ水が流れ込まないようマルチに端を土で盛るなど丹念な管理をしている。
地域に先駆けて局所施肥を実践して施肥量を慣行より2割削減したり、圃場(ほじょう)整備を自身で行っている点も評価された。土屋さんは「高温干ばつやゲリラ豪雨など、気象変動に左右されない栽培技術の確立を目標に高品質な野菜を生産したい」と抱負を語る。
小宮山さんは経験年数26年のベテラン。作付面積5.1ヘクタールのうち2.4ヘクタールでレタスを栽培する。軽井沢は降雨が多く、病害の発生が懸念される立地にあるが、消費者においしいレタスを届けることを最重視し、病害に弱いが食味の良い品種を栽培。肥料選定やマルチ張り、株間の工夫により安定生産を実現している点が評価された。
共進会は、県野菜の重点品目の生産振興を図り毎年開かれている。13年度はレタスを50アール以上で栽培する県内の生産者を対象に、生育状況と管理技術の圃場審査、収穫量と経営状況の書類審査を総合的に採点した。