長野県佐久市常田地区で伝統行事「常田獅子舞」が行われた=写真。同地区に約300年以上前から伝わる常田獅子舞は、雄と雌の獅子2体一対。地区を南北の2つに分けて、上村(かさむら)が雄獅子で荒々しく勇壮に、谷地村(やちむら)が雌獅子でおとなしく優雅に舞う。地域住民が保存会を結成し、舞を再興し、守り継いでいる。
当日は年男が午前7時から太鼓をたたき地区を回り、2体の獅子が左手に御幣(おんべ)、右手に鈴を持ち、太鼓や子どもたちの唄に合わせて家内安全や子孫繁栄、五穀豊穣(ほうじょう)を願い飯綱神社に舞を奉納。地区内で再び舞った後、ふたてに分かれて各戸を回った。
子どもたちの唄は口頭で伝承されてきたが、昨年から郷土史に残されている歌詞に統一。子どもたちは昨年12月の初めから練習を重ねて当日に備えた。
保存会の上原光信会長は「伝統を地域全体で守り、後世に伝えたい」と話した。