JA信州うえだは22日、長野県が育成した新品種の米「風さやか」の販売を始めた。「コシヒカリ」と比べて出穂と成熟期が遅く、夏の高温期の登熟障害を回避しやすい品種として県内で導入が始まっている。同JAは今後の有望品種として着目し、管内のA・コープ2店舗で消費者に試食提供して食味の良さをPR。消費拡大と生産振興につなげる方針だ。
「風さやか(信交526号)」は減農薬栽培で高い品質を得られて、生産コストを抑えられる品種として開発され、2013年産から県の産地品種銘柄として位置付けられている。夏の高温期の登熟を避けられるため障害を受けにくい特性がある。また、いもち病に強く、倒伏しにくく多収が見込め、食味も優れる特徴を両立する品種だ。
同JAは11年から管内で実地試験に取り組んできた。その結果、「コシヒカリ」との作業分散と多収性、良食味が実証され、「コシヒカリ」に次ぐうるち米として有力であると判断。13年度は10戸の農家が約8ヘクタールで栽培し、約48トンを収穫した。14年度から本格導入を進めて生産振興し、5年後には200ヘクタールで栽培し、1200トンの集荷を目指す計画だ。
同日は上田市国分のA・コープファーマーズうえだ店と同市中野のA・コープコアしおだ店で、来店者に「風さやか」の新米で作ったおにぎりを試食提供した。
コアしおだ店では特別栽培「コシヒカリ」のおにぎりと味の違うを食べ比べてもらったところ、「風さやか」に対して「もちもちしておいしい」との声や、「冷めても粘りと甘味があり、普段食べている米より味がしっかりしている」など高い評価が得られた。
同JAは合併20周年記念として14年1月31日まで1袋(4キロ)を特別価格の1480円、特別栽培米1袋(5キロ)を2430円で販売する。販売先はA・コープファーマーズうえだ店、A・コープコアしおだ店、うえだ食彩館ゆとりの里内の直売センター、搗精(とうせい)工場。